住宅賃貸市場は仲介業者を介するのが一般的であり、業者に対する仲介手数料は賃貸人、賃借人ともに家賃の1カ月+実費を上限とする。住宅賃貸市場における取引の対価は月々に支払われる家賃であるが、入居時に敷金(退去時に返済)、礼金(権利金)が、更新時に更新料が支払われるのが一般的でありこれらも対価を構成する要素となる。住宅賃貸市場の市場規模を賃貸住宅のストックからみると、総務省の「2013年住宅土地調査統計速報値」によれば借家数は1957万戸であり、借家は居住者がいる住宅総数の37.6%(民営借家27.9%、公営借家3.7%、UR・公社の借家1.6%、給与住宅2.1%)を占める。貸家の空き家率は18.0%となっており、住宅全体の空き家率13.5%より大きい。08年調査に比べても0.3%増加しており、貸家経営を難しくしている。
また、賃貸住宅の新規供給を国土交通省の住宅着工統計によってみると、貸家着工戸数は13年度前年度に比べ15.3%増加したが、14年度は35万8340戸と前年度に比べ3.1%も減少した。しかし、15年度に入って増加傾向にあり、4月から11月までの貸家着工戸数は26万2212戸と前年同期比で7.9%増加した。