衆議院(衆院)と参議院(参院)の委員会で、多くはその時期に問題になっている特定の国政テーマに限定して質疑を行うことを集中審議と呼んでいる。マスコミ用語ないし国会内の通称で、正式の用語ではなく、特別の手続きがあるわけでもない。多くの場合は、野党が要求し、与党がその後の野党の審議への協力を期待し、またはそれを条件として実施する。国民がその時々に関心をもつ内政・外交のテーマや、与党議員のスキャンダルにからむ政策テーマ(例えば政治資金問題等)で開かれることが多い。通常は予算委員会で首相が出席して行われ、野党にとっては重要広範議案の基本的質疑など委員会への出席の機会が限られている首相を委員会に出席させて質疑ができる点に意義がある。ただし、基本的質疑と異なり、全閣僚出席ではなく、首相と若干の関係閣僚が出席するにとどまる。ねじれ国会下(特に衆院で与党が3分の2の多数を欠いているケース)では、法案の生殺与奪の権を握る野党の要求により集中審議が増え、首相や閣僚を長時間国会に拘束することになり、その弊害も指摘された。