小沢一郎元民主党代表の政治資金管理団体「陸山会」にまつわる政治資金収支報告書の虚偽記載疑惑。陸山会が2004年10月に秘書寮の用地を取得した際、その購入費をめぐる一連の収支報告書に虚偽記載があったとして、東京地検特捜部は10年1月、小沢の元秘書だった衆議院議員石川知裕ら3人を逮捕、政治資金規正法違反罪(虚偽記載)で起訴した。小沢が陸山会に貸し付けた4億円を04年分報告書に記載せず、04年分に載せるべき土地取得費約3億5000万円を05年分に記入したというのが起訴内容。11年9月、東京地方裁判所は石川ら3人に有罪判決を出した。石川ら3人は13年3月、東京高等裁判所で控訴棄却、有罪の判決を言い渡された。石川を除く2人は控訴せず、控訴した石川に対して最高裁は14年10月控訴棄却を言い渡した。一方、小沢本人は10年2月、不起訴となったが、東京第5検察審査会が虚偽記載につき元秘書と共謀があったなどとして「起訴相当」と2度議決したため、検察官役の指定弁護士から11年1月に強制起訴された。東京地裁は12年4月、石川ら元秘書が収支報告書にうその記載をし、小沢がこれを了承したことまでは認めたが、小沢が秘書と共謀していたことは認めず、小沢に「無罪」を言い渡した。11月の東京高裁判決でも無罪とされ、検察官役の指定弁護士が上告せず無罪が確定した。また捜査過程で東京地検特捜部検事が、うその捜査報告書を作成した問題も発覚。検事は不起訴となったものの、捜査への不信も残った。(→「政治とカネの問題」)