首相を擁し政府を支持する与党だけでなく、政府に対抗する野党も政策論議をするうえで、いたずらに批判・中傷するのではなく、国家運営の責任感を持つべきだとの考え。安倍晋三首相は2014年1月24日の施政方針演説で「私たち連立与党は、政策の実現を目指す『責任野党』とは柔軟かつ 真摯(しんし)に政策協議を行う」と強調。さらに2月5日の参議院予算委員会で「自民党は野党時代、一糸乱れずに消費税を上げる判断をした。これこそ責任野党だ」とし、さらに「建設的に政策議論をしていただけるところは『責任野党』だ」として日本維新の会やみんなの党に協力を呼び掛けた。野党第一党の民主党は「与党に擦り寄ることが『責任野党』ではない。求められるのは選択肢を示す『健全野党』だ」と反論したが、安倍政権の巧妙な野党分断策とみて警戒を強めた。15年2月12日の施政方針演説でも「この国会に求められていることは単なる批判の応酬ではありません。『行動』です」「批判だけを繰り返していても、何も生まれません」と述べ、批判の矛先をかわそうとした。