衆議院小選挙区間の人口または有権者数が不均衡な場合、「一票の重み」に格差が生じる。衆議院議員選挙区画定審議会設置法によると、選挙区間の「一票の格差」は2倍以上とならないことが求められている。2010年国勢調査と12年11月の「0増5減」の公職選挙法改正を受けて、衆議院議員選挙区画定審議会は13年3月、新たな区割り案を勧告し、6月に改正公職選挙法が成立した(→「衆議院「0増5減」」)。その結果、一票の価値の最大格差は、人口最多の東京新16区と最少の鳥取新2区との間で1.998倍となり、初めて2倍を下回った。小選挙区導入時の1994年8月の第1回区割り勧告では、小選挙区間の最大人口格差は北海道8区と島根3区の間で2.137倍。2000年国勢調査結果に基づく01年12月の第2回区割り勧告では兵庫6区と高知1区の間で2.064倍だった。11年2月に発表された10年国勢調査結果速報値によると、最大格差は千葉4区と高知3区とで2.524倍に拡大した。これを受けて衆議院議員選挙区画定審議会は新たな区割りに取り掛かったが、最高裁判所が11年3月、現行の区割りについて「違憲状態」との厳しい判決を出したため、区割り作業は一時中断し、12年11月の小選挙区定数の「0増5減」を定めた改正公職選挙法の成立をまって区割り作業を再開し勧告した。13年9月2日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数でみると、最多の北海道1区と最少の宮城5区との間で2.09倍となっている。最少選挙区に比べて格差2倍以上が7選挙区ある。(→「衆議院定数「違憲状態」判決(2012年総選挙)」)