地方税の法人課税には、都道府県税では法人住民税と法人事業税があり、市町村には法人住民税がある。都道府県税の法人課税は法人2税ともいう。この法人2税には、地域偏在が古くから指摘されてきた。地域偏在とは、特に本社機能が集積する東京都への偏在問題ともいえる。また、国税の法人税の扱いも常に問題になり、特に経済のグローバル化に伴い、その税率(実効税率)の軽減が常に求められる事情もある。2012年度税制改正では、法人税の基本税率が30.0%から25.5%に引き下げられている。なおこのとき、復興特別法人税(年間9000億円程度)が3年間の措置として創設されたが、1年前倒しで廃止されている。法人税は地方交付税の対象税目であることから、法人税税率引き下げに伴う影響を緩和するために、法人税の交付税率は引き上げられ、13年度現在では34%とされている。
法人課税は、法人所得を課税標準とする設計であるため、特に地方税では変動が大きく、地域社会の道路等を使用しながら、所得がない年度には課税されないなど、公的サービスの受益に見合った企業の税負担がないなどの問題が指摘されてきた。このため、04年度から外形標準課税が一部導入されている。資本金1億円を超える法人は、所得割のほかに付加価値割(支払賃金額等)と資本割を事業税として納める。税率は所得割が7.2%、付加価値割が0.48%、資本割が0.2%となっている。
さらにこの法人2税の偏在緩和施策として、法人事業税の一部を国税化して「地方法人特別税」が08年度に創設されている。これは地方法人税の偏在是正措置が本格的にとられるまで臨時措置として設けられたもので、法人事業税の税率を7.2%から2.9%に引き下げたうえで、その引き下げ部分を地方法人特別税とする。この地方法人特別税は、「地方法人特別譲与税」として各都道府県に分配する。譲与税の2分の1は人口で、残りの2分の1は従業者数で配分される。(→「地方法人税」)