2009年9月に発足した民主党政権は、政策の政府一元化を掲げている。政策の立案は与党民主党ではなく、政府が行うべきであるという考え方である。民主党が政権をとった直後に、小沢一郎幹事長は議員立法を原則として禁止する指示を出している。しかし、民主党内では、与党の政策立案機能を復活させるべきだという議論が根強く存在しており、それに答える形で、政府・民主党は10年4月に議員立法を策定する際の手順・方法を決定した。党所属議員による議員立法について、政府と党がそれぞれ設置する調整チームで内容を検討したうえで、法案提出は両チームによる合同審査で最終判断することとしたのである。具体的には、議員立法が提案された場合、政府はまず各省の政務官を窓口に内容を精査する。政務三役(大臣・副大臣・政務官)が適否を判断したうえで、松野頼久、松井孝治両官房副長官ら5人で構成する「政府内調整チーム」で検討する。民主党側では、党議員の政策提言を踏まえ、衆参両院の各委員会の筆頭理事が国会提出の可否を判断。その後、細野豪志副幹事長や生方幸夫副幹事長ら7人による「議員立法調整チーム」で検討する。最後に、両チームが合同で結論を出し、党役員会の決定を経て法案を提出することとなった。しかし、11年9月に民主党は調整チームの廃止を決めた。その結果、議員立法については政策調査会の各部門会議で調整することとなった。