菅直人内閣は2010年9月7日、新成長戦略の「実現を推進・加速するため」新成長戦略実現会議を設置した。メンバーは、議長は首相、副議長は内閣官房長官と国家戦略担当大臣兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)と経済産業大臣が就任し、その他の構成員としては財務大臣ならび内閣総理大臣が指名する者、関係機関の長および有識者が就任することとなった。なお、会議の事務局は、議長が指名する内閣官房副長官および国家戦略室長兼内閣府副大臣が総括し、議長が指名する内閣府大臣政務官および経済産業大臣政務官がこれを補佐するとされた。そして、9月9日に推進会議の最初の会議が開催された。会議には、議長の菅直人首相、副議長の仙谷由人官房長官、荒井聰国家戦略担当相、直嶋正行経済産業相のほか、委員として、白川方明日銀総裁、岡村正日本商工会議所会頭、桜井正光経済同友会代表幹事、米倉弘昌経団連会長の財界3首脳、野田佳彦財務相ほか首相の指名する大臣、伊藤元重東大教授、河野栄子DIC社外取締役、古賀伸明連合会長、小宮山宏三菱総合研究所理事長、清家篤慶応義塾長、宮本太郎北海道大教授が出席した。菅首相は、10月1日の臨時国会の所信表明演説で、経済成長と雇用に重点を置いた国づくりを、新設した「新成長戦略実現会議」で強力に推進することを宣言。そして11年1月25日には、「新成長戦略実現2011」という閣議決定を行い、それまでの推進会議の成果を、(1)「国を開き、未来を拓く」ための取り組みの促進、(2)景気・雇用動向を踏まえた新成長戦略に基づくマクロ経済政策の実施、(3)成長に向けた税制改正および制度的枠組みの構築、の三つを取り上げている。