国務大臣で、内閣官房を統括する役職。閣議においては進行役を務め、内閣にかかわる重要な問題について、内閣の立場から与党や国会との折衝の中心となり、また、内閣のスポークスマンとして、毎日午前11時と午後4時の2回、首相官邸1階にある記者クラブの会見室で記者会見を行う。新聞などで「政府首脳」の発言とされるのは、通常は官房長官のオフレコの発言を指している。これらの任務の性格と重要性からして、官房長官は総理大臣(首相)の分身として一体となって行動することが期待される。そのため総理と同じ派閥で、総理に親しい閣僚経験者が任命されるのが通例である。しかし、中曽根内閣における後藤田正晴長官(田中派)のような例外もあった。連立時代においても、羽田内閣と村山内閣では官房長官は総理と同じ政党から任命された。細川内閣の武村官房長官の場合は首相と党派は異なるが、当初は首相に近しい間柄であった。なお、官房長官の職務を補佐するために、長官の議員秘書が就任する政務担当秘書官のほか、財務省、外務省、警察庁、および内閣府から出向する4人の秘書官が置かれている。なお麻生内閣(2008年発足)では、経済産業省からも派遣されたことがあった。