2012年に発足した安倍晋三内閣は「大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という3本の矢で、経済再生を推し進め」ることを目指している(13年1月28日の所信表明演説)。その成長戦略において重要な位置を占める規制改革の推進のために安倍内閣によって新たに設けられた機関。同会議は、民主党政権以前の第1次安倍内閣において設置されていたが、民主党政権において廃止されていたものを、復活させたものである。会議は企業経営者や大学教授ら民間委員15人で構成され、事務は内閣府が担当するが、民主党政権の行政刷新会議の事務局がほぼ横滑りした。13年1月に最初の会議が開催され、議長に岡素之住友商事相談役、議長代理に大田弘子政策研究大学院大教授を選んだ。冒頭の挨拶で安倍首相は、「規制改革は安倍内閣の一丁目一番地だ」と述べ、産業競争力会議がつくる成長戦略を達成するため、規制改革の実行に重点的に取り組むよう求めた。会議は、13年6月5日、127項目の改革方針を盛り込んだ答申をまとめた。答申は約1万3000ある規制からエネルギー・環境、保育、健康・医療、雇用、創業の5つの分野で改革の緊急度が高いとされたものを選び出し、改革方針と実施時期を示している。答申を受けて、政府は規制改革実施計画を閣議決定した。改革会議は、その後も、農業、労働、医療などの諸分野の規制緩和について検討を進め、14年6月にあらたな答申を目指している。