空母と略されることが多い。艦種記号はCV。航空機を搭載し、これを運用・支援するための艦艇。その規模・能力などにより、大型空母(航空機約80機搭載)、中型空母(約30~40機)、軽空母(約10~30機)に区別される。ヘリコプターを多数搭載しているものはヘリ空母、原子力を機関としているものは原子力空母と呼ばれる。大型・中型の空母は通常、空母を中心に、これを守る数隻の水上艦および潜水艦から構成される戦闘群(battle group)で行動する。海洋パワー・プロジェクション能力を保有していることから、戦争遂行手段としてのみならず、外交的圧力手段として使用される。しかし次の理由から「空母の時代」は終わったともいわれる。(1)将来の海上戦は、空母vs潜水艦という非対称戦になる可能性が高い(空母は潜水艦の攻撃に弱い)。(2)敵がIT兵器を開発・装備すれば、空母はその位置を容易に探知・捕捉され、精密誘導の対艦用巡航ミサイル(→「巡航ミサイル」)による攻撃を受けやすい。(3)戦闘無人航空機(→「無人航空機」)や、精密誘導弾(PGM)搭載の航空機を使用することによって、大量の艦載機の必要はなくなる。(4)精密誘導弾を搭載した数機の長距離爆撃機によって、大型空母1隻分の威力を期待することができる。