人口減少の時代において、都市が縮小する様子を示す概念(→「人口減少社会」)。郊外における人口流出と空き家の増加、また中心市街地(→「中心市街地活性化」)における人口減少や高齢化率の上昇、これらに伴う地域経済の衰退や臨海部等における未利用地の増加などの形で、日本各地でこの現象が見られるようになっている。また、農山村地域では住民の過半が65歳以上となり、生活の維持が困難となっている限界集落が問題となっているが、これも都市の縮退とも関係した現象である。日本の都市計画は長らく人口規模や経済規模の成長を前提に実施されてきたが、今後はこの縮退を見すえた新しい計画のあり方が必要となると考えられており、様々な研究や実験的な取り組みが始められている。既存の建築物をボリュームダウンする減築やコンパクトシティーづくりというかたちで、建物や都市をコンパクトにしていくという方策が講じられる一方で、逆に縮退に歯止めをかけようとする動きもある。その一つに市街化調整区域(→「都市計画法」)における開発規制を緩和することによって、都市近郊農村の人口減少を食い止めようとする試みがある。