使用済み燃料の再処理が計画通りに進まないため、旧通産省、科学技術庁、電力会社で構成する使用済み核燃料貯蔵対策検討会が提案した選択肢。使用済み燃料を再処理ができるようになるまでの期間、原子力発電所敷地以外の場所に中間的に貯蔵するというもので、2010年までに6000t、20年までに1万5000t分の貯蔵施設を建設する必要があるといわれた。13年時点では、再処理工場は運転できないままで、使用済み燃料はそれぞれの原発敷地内の使用済み燃料プールでのリラッキング(re-racking 貯蔵量増加のための収納高密度化)などでしのいでいる。しかし、それもいつまでも続けられるわけではなく、原発敷地外での中間貯蔵施設の建設が緊急の課題となってきた。従来、使用済み燃料は水を張ったプールに沈めて崩壊熱を除去してきた。中間貯蔵では、保管期間の長期化を予想し、特殊な容器に入れ、空冷で保管する方策が有望視されている。ただし、再処理は将来的にもできる見通しがなく、「最終」貯蔵になる可能性が高い。07年に東京電力と日本原子力発電の両社によりリサイクル燃料貯蔵株式会社が設立され、青森県むつ市にて、最終的貯蔵容量5000tの「リサイクル燃料備蓄センター」を計画。3000tの貯蔵容量をもつ1棟目の操業開始の目標を10年として計画されたが、計画は遅延し、10年8月にようやく着工し、13年8月に建屋は完成した。しかし、福島第一原子力発電所事故を受けた新規制基準への適合審査を受けざるを得なくなり、現在審査中。