核兵器製造の中心技術は、ウラン濃縮、原子炉、再処理の三つである。それが現在「原子力の平和利用」と称して利用されている。このうち原子炉は、「発電目的」として世界40カ国に広がっており、核拡散上の課題となっている。しかし、原子炉を動かしても生成したプルトニウムを再処理によって分離しなければ、核兵器材料は手に入らない。そのため、核兵器保有国は、再処理とウラン濃縮を拡散させないことで、自国の優位を保とうとしてきた。その政策の一つが、2006年、アメリカが主導する国際原子力エネルギー・パートナーシップである。一方、ロシアもアメリカに先立って、同年1月に核燃料サイクル国際センター構想(Nuclear Fuel Cycle National Science Center)を提唱し、核をもつ国ともたざる国に分けることによって、核の拡散を防ごうと模索している。その中心が、非核兵器保有国に濃縮ウランを提供するという、国際ウラン濃縮センター構想である。