NASA(アメリカ航空宇宙局)のCOTS計画に基づき、アメリカの宇宙ベンチャーのスペースXが開発している無人貨物輸送船。スペースシャトルが引退した後、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給を行うことを目的としている。貨物室が再突入カプセルとなっており、6トンの荷物をISSに運び上げ、3トンを地表に持ち帰ることができる。打ち上げは同社のファルコン9(→「ファルコンロケット」)で行う。2010年12月8日にはドラゴン試験機がファルコン9ロケット2号機で打ち上げられ、地球を2周して南太平洋の着水に成功した。12年5月22日にはドラゴン試験2号機が打ち上げられ、ISSへの初ドッキングを実施した。3号機以降が、正規の貨物輸送ミッションと位置付けられており、3号機は同年10月8日に、4号機は13年3月1日に、それぞれ打ち上げられて無事ミッションを完遂した。スペースXは3号機以降12回の貨物輸送をドラゴンで実施する契約をNASAと結んでいる。また、スペースXでは7人が搭乗可能な有人型「ドラゴン2」の開発も進めており、ポストシャトルの人員輸送をも狙っている。14年5月、同社はドラゴン2を公開。18年に最初の打ち上げを予定している。