2010年のスペースシャトル引退に伴う、国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送能力の欠如を民間活力によって補おうとするNASA(アメリカ航空宇宙局)の計画。無人輸送船開発のための資金を民間から集めてきたメーカーに、NASAが補助金を出すと同時に、完成のあかつきには開発した無人輸送船によるISSへの輸送を発注する。06年8月に、スペースXとロケットプレーン・キスラーが選定されたが、後者は民間からの資金調達に失敗して脱落、改めて08年2月にオービタル・サイエンス(現・オービタルATK)が選定された。スペースXは2億7800万ドル、オービタル・サイエンスは1億7100万ドルの補助金をそれぞれ獲得した。COTS向けに、スペースX社はドラゴン輸送船とファルコン9(→「ファルコンロケット」)を、オービタル・サイエンス社はシグナス輸送船とアンタレスロケットをそれぞれ開発している。
スペースXは10年12月8日、ドラゴン貨物輸送船テスト機の打ち上げと大気圏再突入に成功。続けて12年5月に、ドラゴン試験機2号機で初のISSへのドッキングを実施、同年10月にはISSへの初のオペレーション・フライトを実施。その後、順調に補給フライトを継続している。オービタル・サイエンスのシグナスも13年9月に初の補給フライトに成功した。