ブラジルの航空機メーカー、エンブラエルが開発している新型の地域ジェット旅客機。70~100席級の地域ジェット旅客機Eジェットファミリーで成功を収めたエンブラエルは、三菱MRJやスホーイ・スーパージェット100といった新規開発機に対しても競争力を維持するためには、エンジンの換装などによるり新世代化が必要と考えるようになった。候補となったエンジンは、MRJが使用するのと同じ、ギアード・ターボ・ファン形式の、プラット&ホイットニーピュアパワーPW1000Gシリーズで、さらに機体の一部を複合材料にすることなどで軽量化も図ることにした。こうした新世代型についてエンブラエルは、2013年6月に「E2ジェットファミリー」として開発することを決定した。Eジェットファミリーが4タイプだったのに対し、E2ジェットファミリーはE175-E2、E190-E2、E195-E2の3タイプで、エンジンの細かなタイプはE175-E2だけがPW1700Gとなる。E2ジェットファミリーは、最初の実用型となるE190-E2が2016年5月23日に初飛行し、続いてE195-E2も17年3月29日に初飛行した。就航予定はE190-E2が18年2月で、E195-E2は19年後半。E175-E2は、アメリカの地域ジェット旅客機に関する規制の緩和を待つことで、2021年になる予定。また17年12月21日にはボーイングとエンブラエルが事業のパートナーシップ化に向けた話し合いを開始することが発表され、エアバスがCシリーズを事業に組み込んだのと同様に、ボーイングがE2ジェットプログラムに参画し、製品群に加えることになる可能性も指摘されている。15年12月末時点でのEジェット、E2ジェットのタイプ別確定受注機数はそれぞれ次の通り。E170は193機、E175は500機、E290は578機、E195は166機。E175-E2は100機、E290-E2は77機、E195-E2は890機。17年12月21日にエンブラルとボーイングは、E2ジェットも含めた包括的な提携について話し合いを行っていることを明らかにした。