生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォームのこと。生物多様性条約(CBD ; Convention on Biological Diversity)において、各国の研究者が政府からの代表団として参加し、議論する公式の場として国連環境計画(UNEP)が主導して設置したもの。気候変動枠組み条約におけるIPCCに対応するものとして、2010年10月のCBD第10回締約国会議(COP10)において設置された。1992年の地球サミットの後、「ミレニアム生態系評価」(MA)により生物多様性と生態系サービスの喪失の現状と保全の意義が科学的に分析、公表されてきた。IPBES設立により、科学的見解が政策に反映されやすくなると期待される。ただし、気候変動に関するクライメートゲート疑惑などもあり、科学者の役割が強まることを歓迎する意見ばかりではない。CBDには事務局と科学技術助言補助機関( SBSTTA ; Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice)があり、IPBESとこれらの関係が2012年インドでのCOP11までの間に調整されることになった。