異なる物理系同士で量子状態を壊さず移動させること(→「重ね合わせの原理」「エンタングルメント」)。現在実用の情報通信においては、演算は電気で、通信は光(電磁波)、メモリーは物質やデバイスで、それぞれの得意な役割を分担しているが、それが可能なのはそれぞれのメディア間で情報の書き込み・読み出しが自由にできるからである。量子情報通信においても、量子メモリーと光パルスの間など異なるメディア間で量子情報を移し換えることが要請されるが、現代の技術で自由自在にできるわけではないため、研究フェーズにある。これを量子メディア変換、あるいは量子情報転送と呼ぶ。当然、エンタングルメントを保持できなければならない。すなわち、AとエンタングルしているBの量子状態をCというメディアに変換したとき、結果はAとCがエンタングルしている必要がある。ここが現在使われている書き込み・読み出しと異なる。