集中豪雨やゲリラ豪雨などの監視と向こう1時間の予測精度の向上のため、従来よりも解像度を細かくするとともに、積乱雲の発生を考慮するなど予測手法も高度化した降水ナウキャスト。250メートル四方の降水量の30分先までの予測と、それ以降の60分先までの1キロメートル四方の予測が、5分毎に常時更新されている。気象庁のレーダーに加えて国土交通省のXバンドレーダーを利用するようになり、アメダスのほかに国土交通省や地方自治体の観測する雨量、ウィンドプロファイラなどの高層の観測データも使って降水量の解析精度を向上させている。予測については、雨滴が雲の中で生成されて成長し雨となって落下する過程を取り入れ、ガストフロントによる風の収束や気温・水蒸気などの変化から積乱雲が発生するトリガーを検出するなどのアルゴリズムも導入している。高解像度降水ナウキャストは、豪雨のときだけでなく日頃の雨の降り始めや降り止むタイミングの把握にも有効な予測資料である。