17世紀にP.フェルマーは古書『数論』の余白に次のメモを残した。「3以上の自然数nについて、自然数x, y, zでxn+yn=znとなるものはない」。さらに、「私は証明を見いだしたが、それを書き留めるには、この余白は小さすぎる」。これがフェルマーの定理であり、証明は長い間未解決で高額の賞金もかけられた。1986年に、この問題が谷山・志村の予想の一部に過ぎないことが示された。94年、A.ワイルズ教授により谷山・志村予想の部分的解決として、この定理が証明された。
このフェルマーの定理も「3」と因縁が深い。この定理は、直角三角形のピタゴラスの定理(三平方の定理ともいう)から得られる自然数の三つ組みのいわゆるピタゴラス数を拡張できないかというところから生まれた。ピタゴラス数はそのうちの二つの数の2乗の和が残りの数の2乗になる。フェルマーが提起したのは、「自然数の三つ組みで、そのうちの二つの数のn乗の和が残りの数のn乗になる場合があるか(n≧3)」という問題である。
一方、「三つ組み」という条件を外したときにも、その解はたくさん見つかる(→「タクシー数」「オイラーの予想」)。やはり、二重の意味で「3」が難しさのポイントになっている。