精神分析学者アルフレッド・アドラー（Alfred Adler）が創始した学説のこと。個人の心理は、意識・無意識にも影響されるが、社会環境にも多大に影響されるとした。アドラーは、身体障害者の人格発達の研究において、自尊心の高い人においては劣等感を克服しようとすることが人生を達成する強い動機づけとなることを、補償という概念で説明した。また一方で、自尊心が低い人の場合には劣等感にさいなまれることを、劣等感コンプレックスという概念で説明した。