日本銀行が2010年10月5日に打ち出した包括緩和政策の一環として創設された、長期国債、国庫短期証券、社債、コマーシャル・ペーパー(CP)、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)を購入するための基金。多様な資産を市場から買い取ることにより、リスク・プレミアムの低下を通じて企業の資金調達コストを抑制し、デフレーションからの脱却につなげることを狙いとしている。当初は、共通担保資金供給・固定金利オペ(→「日本銀行新型オペ」)30兆円を含めて、合計35兆円の基金として発足したが、11年3月に起きた東日本大震災や、その後における円高進行と政府からの金融緩和圧力に対応する形で、11年中には3回、12年中には6回にわたって上限枠が増額され、12年末の資産買い入れ基金の総額は101兆円に膨れ上がった。13年1月22日には、従来の方式での買い入れが終了する14年初から、期限を定めない資産買い入れ(オープンエンド)方式を導入し、毎月13兆円程度(うち長期国債は2兆円程度)の買い入れを無期限で実施することを決定した。なお、資産買い入れ基金による長期国債の買い入れは、日本銀行が設定している銀行券ルールの対象外とされている。