日本銀行が量的・質的緩和(→「異次元緩和政策」)を補完するために、2015年12月18日の政策委員会(→「日本銀行政策委員会」)金融政策決定会合で決定した諸措置。設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業に対するサポートとして、(1)新たなETF(→「上場投資信託」)買い入れ枠の設定(年間約3000億円)、(2)成長基盤強化支援資金供給(→「成長基盤強化のための日銀新貸出制度」)の拡充(「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」を対象に追加)、(3)貸出支援基金(→「日銀の貸出支援基金」)などについて受付期間を1年間延長、の諸措置を導入する。また、量的・質的緩和の円滑な遂行のための措置として、(1)適格担保の拡充(外貨建て証書貸付債権などを追加)、(2)長期国債買い入れの平均残存期間の長期化(従来の7~10年程度から7~12年程度に長期化)、(3)J-REIT(→「REIT」)の買い入れ限度額の引き上げ(当該銘柄発行済投資口総数の5%以内から10%以内に引き上げ)、を導入する。日本銀行の黒田東彦総裁は、設備投資や賃上げに熱心な企業を支援するとともに、国債を中心とした大量の資産買い入れを進めやすくするための補完措置であり、追加的な緩和措置にはあたらないと強調している。