法案について、参議院(参院)が異なる議決をしたときは、衆議院(衆院)は両院協議会を求めることができる。両院協議会は衆院と参院10人ずつの委員で組織され、3分の2以上の多数で成案が得られたときは、これを両院で可決すると、それが国会の意思となる。予算、条約と内閣総理大臣の指名で両院の意思が異なったときは必ず開かれる。1953年の第16回国会までしばしば開かれ、その後途絶えていたが、89年の参院選挙の結果参院で野党が過半数を占めた後に、一時再び開かれるようになった。法案では94年に政治改革関連法案が41年ぶりに両院協議会で成案が得られて成立した。法案については、衆院が衆院可決案を3分の2以上の多数で再可決したときも、法律となる(→「衆院の優越」)。ねじれ国会となって、衆参の意見の調整に両院協議会の活用を考えるべきだという議論が高まり、その後の政権交代でいったん議論は下火になったが、2010年の参院選挙で再びねじれ国会になったことから、再度その必要性が説かれた。特に各議院でその議院の議決と同じ立場をとった会派(「院議を構成した会派」といい、その議院で可決されたなら可決に回った会派、否決されたなら否決に回った会派)からのみ協議委員が出る方式や、成案を得るのに委員の3分の2を要する点は、両議院の意思の一致を導き出す仕組みとしての両院協議会が有効に機能するうえで制約となっている。ねじれ国会は、13年の参院選挙で解消されたが、今後また生じる可能性もあり、両院協議会のあり方は現在の国会制度の重要課題の一つである。