自由民主党(自民党)は「ポスト小泉」の動きをにらみつつ、超党派の議員集団として「国立追悼施設を考える会」(会長山崎拓)が2005年11月発足したが、超党派の会合は減る傾向にある。「活字文化議員連盟」は文字・活字文化振興法を05年通常国会で成立させた。09年9月の民主党政権発足に伴い、小沢一郎幹事長(当時)は11月30日の役員会で、議員連盟について「党単独で構成、活動する」との方針を決め、民主党議員が超党派の議員連盟に参加することを原則禁止としたため波紋が広がった。例外的に認められた国別の友好議員連盟の会長ポストについても、自民党議員から民主党議員に譲るよう主張し、約70の議連で会長交代が行われた。日韓議員連盟会長は10年4月、自民党の森喜朗元首相から民主党の渡部恒三元衆議院副議長に交代した。13年2月には会長ポストは再び自民党が占め額賀福志郎が選出された。10年6月の菅政権発足以降は方針を転換し、超党派議連への参加が認められるようになった。尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に触発されて、10年秋には「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」(長島昭久ら)や「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(山谷えり子ら)、「国家主権と国益を守るために行動する議員連盟」(原口一博ら)など超党派議連の活動が活発化した。11年に動きを活発化させた超党派の議員連盟としては、TPP(環太平洋経済連携協定)に反対する「TPPを慎重に考える会」(会長・山田正彦)や、原子力に依存しない国づくりを目指す「エネシフ(エネルギー・シフトの略)ジャパン」(山田正彦、加藤紘一ら)、中選挙区制の復活も視野に入れた「選挙制度の抜本改革をめざす議員連盟」(加藤紘一、渡部恒三ら)がある。12年4月には「衆参対等統合一院制実現議員連盟」(会長・衛藤征士郎)が一院制導入の憲法改正案を提出したが、会派の了承手続きを経ていないため受理されなかった。自民党、たちあがれ日本など保守系の「創生『日本』」は安倍晋三の自民党総裁誕生に大きく寄与した。野党再編をにらんだ超党派の勉強会「既得権益を打破する会」が13年12月、民主党の細野豪志と日本維新の会の松野頼久、みんなの党を離党した江田憲司(のち結いの党結成)によって設立された。日中友好議員連盟の高村正彦会長(自民党副総裁)と岡田克也民主党元代表、北側一雄公明党副代表らは14年5月訪中し、唐家セン(王ヘンに旋)元国務委員ら要人と会談するなど、首脳会談が開けない冷え切った日中外交を補完する役割を果たした。カジノの合法化を目指す超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(会長・細田博之)や国際法に基づく海洋安全保障の確立を目指す「国際海洋議員連盟」(会長・平沼赳夫)、「ジオパークによる地域活性化推進議員連盟」(会長・石破茂)なども活発に活動した。(→「議員集団/議員連盟」)