2012年12月4日公示、16日投票で第46回総選挙(衆議院議員選挙)が実施された。自由民主党など野党は、民主党政権の失政を批判して早期の衆議院解散を求めたのに対し、民主党は内閣支持率の低迷などから早期解散に慎重だった。野田佳彦首相は8月8日、谷垣禎一自民党総裁との会談で消費税増税法が成立すれば「近いうちに信を問う」と約束。11月14日の安倍晋三総裁との党首討論で「定数削減を約束すれば16日に解散してもよい」と発言し、16日衆議院を解散した。「近いうち解散」と呼ばれる。12月4日の公示では、12政党1504人が立候補を届け出た。小選挙区が1294人、比例代表が1117人(重複立候補者907人、単独立候補者210人)。参加政党数、候補者総数、小選挙区候補者数ともに1996年の現行選挙制度導入以来で最多。女性候補は225人だった。選挙戦は原発継続の是非や景気対策などをめぐって論争が展開された。3年3カ月にわたった民主党政権の実績が厳しく問われ、自民党への政権交代の是非も争点となった。16日投開票の結果、自民党は294議席(公示前118)と、1986年の中曽根康弘政権の300議席や2005年の小泉純一郎政権の296議席と並ぶ大勝。連立を組んだ公明党の31議席(公示前21)を加えると「3分の2」を超え、再議決権を確保して政権を奪還した。これに対し民主党は前回の308議席から57議席(公示前230)まで減らし壊滅的敗北を喫した。注目された第三極勢力の中では、日本維新の会が54議席(公示前11)と民主党に迫る勢力を確保し、衆院選初参加で一気に第3党となった。みんなの党も公示前8議席から18議席に伸びたが、日本未来の党は公示前の61議席から9議席に激減し、第三極政党は明暗が分かれた。共産党は8議席、社民党2議席、国民新党と新党大地が各1議席といずれも議席を減らし、無所属は5議席で、新党日本と新党改革は0議席。女性候補の当選者は38人だった。投票率は59.32%(小選挙区)で、前回より約10ポイント減り、戦後最低だった1996年の59.65%をも下回った。期日前投票は1203万9570人(全有権者の11.54%)で過去最高だった前回より14%減った。