レジストは元々、金属のエッチングのマスクとして、エッチング液に対する耐性(resistance)を持つ材料という意味で名付けられた。1960年代になり半導体の製造に応用するため、薄膜化が容易でフッ酸等の薬品に耐性のある、紫外線に感光する特性を持つものがフォトレジストとして開発された。初期のフォトレジストは、ネガ型の環化ポリイソプレンという一種のゴムで、解像度は2μm(マイクロメートル)程度であった。80年頃から、解像度が高く、ドライエッチングにも耐性のあるノボラック系のポジ型フォトレジストが使われるようになってきた。さらにリソグラフィー技術の発達とともに、露光波長が短くなり、それに対応したレジストが開発され、現在ではArFエキシマレーザー(波長193nm〈ナノメートル〉)に対応するレジストが開発されている。一方、電子線やエックス線に感度を持つレジストも開発され、それぞれ電子線描画、エックス線露光(EUV)に使用されている。90年頃になり、少ないエネルギーでパターンを形成できるよう、高感度のレジストへの要求が強くなり、化学増幅レジストが開発され、現在では主流になっている。