コンピューターなどのメモリーの階層はこれまでCPUに近い方から、SRAMを用いたキャッシュメモリー、DRAMを用いたメインメモリー、磁気ディスクやフラッシュメモリーを用いたストレージメモリーの3段階で構成されてきた。この順に速度は遅くなり、容量は大きく、また価格は安くなっている。このような構成にする理由は、比較的安い価格で高い性能を実現することにある。例えばメモリーをすべてキャッシュメモリーで構成すればシステム性能は非常に高くなるが、価格も実用不可能なほど高価になる。
しかし、技術の進歩によりDRAMの速度が速くなってきたため、ストレージメモリーの速度がメインメモリーに段々追いつかなくなり、メインメモリーとストレージメモリーの間に新たなメモリーの階層を置く要求が強くなってきた。これをストレージ・クラス・メモリーと呼び、主な必要性能は、(1)安価でかつ大容量、(2)DRAMほどではないが比較的高速動作、(3)不揮発性メモリーで、かつフラッシュメモリーよりも書き換え可能回数がはるかに多い、などである。抵抗変化メモリー(RRAM)、磁気メモリー(MRAM)、相変化メモリー(PRAM)などが候補と考えられている。近年インテルからReRAMの一種である3D Xpointメモリーが発表され、最も実用化に近い候補と言われている。