天体からの電波を観測して研究する分野。1931年、天の川の電波が偶然発見されたことから始まる。50年代から盛んになり、銀河系の渦巻き構造、超新星残骸からのシンクロトロン放射、クエーサーなどの活動銀河、星間分子および分子雲、パルサー、宇宙背景放射などが発見された。電波は可視光や近赤外線とともに地上から直接観測できる大気の窓とも言うべき貴重な波長帯である。可視光とは違って星間塵などの障害物の影響が小さく、遠くまで見通せる。単一アンテナを用いる方式と複数のアンテナを用いて高分解能を得る干渉方式がある(→「アルマ」)。単一アンテナで最大はプエルトリコの固定式300mパラボラ、可動式ではドイツおよび2002年に完成したアメリカの口径100m、ミリ波では野辺山宇宙電波観測所の45mである。干渉方式では基線を数百kmから数千km、大陸間、あるいは地上と人工衛星の間というように、基線を大きくとるVLBI(Very Long Baseline Interferometer)方式が採用される傾向にある(→「VERA」「VOSP」)。