三角分割ともいう。曲面を三角形の面からなる多面体として近似するもの。H.ポアンカレは、曲面の三角形分割(triangulation of manifold)を行い、そのホモロジー群を定義し、それによって三次元の中に実現できる「閉じた曲面」を完全に分類した。三次元の曲面では、三角形の代わりに三角錐で分割する。さらにn次元では、n次元の錐を用いることになり、これらの分割もまた三角形分割という。
ポアンカレのめざましい結果から、「次元の高い曲面でも三角形分割ができないか」が、大きな関心となった。R.H.ビングは、1959年にすべての三次元位相多様体が三角形分割できることを証明した。このことから、これが微分可能な多様体と同相(→「トポロジー」)になり、三次元多様体の研究に微分幾何学を応用できようになった。これが、2003年における、微分幾何を利用したG.Y.ペレルマンのポアンカレ予想の解決につながることになる。