（「九皐」は深山の沢のこと）　鶴が深山で鳴くとき、その声は天にまで届く。優れた人物の発言は、たとい隠遁（いんとん）していたとしても、あまねく人の知るところとなることにたとえる。

〔出〕詩経（しきょう）
〔会〕「先生、ぜひとも今回の陶芸展に出品していただきたく……」「はるばるこんな所までご苦労だが、何せ私はもう隠居の身」「いえいえ、鶴九皐（つるきゅうこう）に鳴いて声天に聞こゆと申します。先生の作品を出させていただければ、私どもも幸甚の至りです」