通常国会の前半の主要議題である予算(補正予算に対して当初予算、補正予算や暫定予算に対して本予算といい、また一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算の本予算を総称して総予算という)は、内閣が編成したのち通常国会冒頭に国会に提出される。憲法で予算の編成権は内閣にあるため、内閣が編成すればすでに予算であり、ただ執行前に国会の審議と議決を要するために国会に提出しているが、マスコミは国会の議決前のものを予算案と呼んでいる。憲法により衆議院(衆院)先議で、財務大臣の提案理由説明の後、予算委員会基本的質疑を経て、全般的質疑、公聴会、専門的質疑(必要に応じて分科会や委嘱審査)、締めくくり質疑、討論・採決で委員会審査を終了し、本会議で可決されて参議院(参院)に送られる。予算については、衆院の優越により衆院通過後30日で自然成立するが、参院は自然成立前に議決するようにしている。予算に関する与野党の攻防の中心は、予算の内容とともにその成立時期で、政府・与党は、3月31日までの成立(年度内成立)のために3月2日までに衆議院通過を図り(国会の日数計算は、民法と異なり初日を1日目と数えるので、3月2日に衆議院を通過すると3月31日の24時に自然成立する)、一方野党は年度内成立を阻止するために、予算委員会を空転させたり、集中審議を求めたりして審議の遅延を図り、両者の攻防が繰り広げられる。(→「予算関連法案」)