その会期中に議決されなかった案件は、審議未了で廃案となる(会期不継続の原則)。ただし委員会は議院の議決により特に付託された案件を閉会中も審査でき、この案件は次の会期に継続する。これを閉会中審査(主に衆議院)または継続審査(主に参議院)と呼ぶ。マスコミ用語では継続審議が一般的。会期不継続は、国王が必要なときだけ議会を召集した時代に、その召集時に用意された案件で結論の出なかったものは次の議会に継続しないとされたのが起源。議会が常置の機関となったことにより、案件は議員の構成が変わらない限り継続したり(アメリカ、ドイツなど)、会期不継続を維持する国でも通年国会などで長い審議時間を確保している(イギリスなど)。日本は、通常国会でも150日(1回だけ延長可)と会期が短いうえに、会期不継続の原則を採用していることが、国会政治の姿を大きく規定している。欧米で一般的な逐条審議が採用されないなど、審議手続きが全体的に簡略化され、その代わりに与党が政府法案の事前審査を行って国会通過の迅速化を図ったり、野党が対決法案の廃案を目指して審議の遅延を図るなどは、いずれも国会の短い会期と会期不継続の組み合わせを制度的背景にしている。