国会用語としての質問は、議員が国政の任意のテーマで内閣に事実の説明や見解を求める手続きで、本会議や委員会で議案の内容等についてただす質疑と区別されるが、マスコミは後者を質問と呼んでいるため、必ずしも国民に十分理解された制度となっていない。質問はいずれの国の議会も整備している制度であり、各国では本会議での口頭質問が一般的で、帝国議会でも口頭質問は田中正造の足尾銅山鉱毒問題の追及などの成果を生んだ。国会では質問主意書による文書質問が原則となり、利用は限られていたが、近年野党時代の民主党が活用して急増し、省庁が悲鳴をあげて2004年8月に衆議院議院運営委員会理事会で提出は会期終了日の前日までになった。大規模災害など緊急を要するときは、議院の議決により口頭で質問できる(緊急質問)が、実際には議院運営委員会での会派間の合意が必要なため、本来個々の議員に認められる質問とは異なるものとなっており、その例も多くない。12年11月参議院は、その年の通常国会で野田佳彦首相に対して行った問責決議についての首相の対応をただすための緊急質問を行った。