衆議院（衆院）と参議院（参院）が議院として単独に行使できる権限は、共通のものでは、議員の資格争訟の裁判、議長その他の役員の選任、議院規則の制定、議員の懲罰、議員の逮捕許諾や逮捕された議員の釈放要求など議院の自律権に属するもののほか、重要なものとして国政調査権がある。また衆院のみに認められているものでは、内閣の信任・不信任権（→「内閣の信任・不信任決議」）と参院の緊急集会の措置への同意権がある。参院のみのものとしては、参院の緊急集会に関する権限がある。与党が参院で過半数割れしているとき、参院は個々の閣僚（首相を含む）に問責決議を行うことがあり、法的効果はないものの、野党は当該閣僚の交代なしには審議に応じないとして実質的に閣僚の進退に関して影響力を行使し、その妥当性が議論されている。（→「ねじれ国会」）