議席や得票が自由民主党、民主党の二大政党に集中する現象。政界再編成後の日本の政党システムについては、アメリカ・イギリス型の「二大政党制」が望ましいとする考えとヨーロッパ大陸諸国のように3党以上の政党が競い合う穏健な多党制が望ましいとする考えがある。二大政党化の流れは、前者が指摘したような二大政党制に向かう中間地点ともみられるが、宗教組織に基盤をもつ公明党や独自の党組織を維持する日本共産党の存在は後者の見解を許容する余地も残しており、二大政党制が一直線に実現する状況にはない。最近の選挙結果は顕著な二大政党化の方向を示していたが、揺り戻しも見られる。候補数に左右されない比例区得票数でみると、自民・民主両党の得票率合計は2000年衆議院選挙の53%から03年72%と飛躍的に高まり、05年69%、09年69%とほぼ同水準を維持していたが、12年は第三極政党の進出で44%に低下した。参議院選挙の比例代表は01年の55%から04年68%と飛躍的に高まり、07年も68%、10年も67%だった。自民、民主両党の議席率でみると、衆議院選挙では00年の75%から03年86%、05年85%を経て09年には89%まで高まり、ほぼ二大政党化の極限に達したが、12年には第三極政党が乱立した影響もあって64%にまで後退し、14年は51%にまで減った。参議院選挙でも01年の56%から04年74%、07年には82%にまで高まった。ただ10年には新党の相次ぐ誕生などで58%と大幅に後退。13年には68%だった。