二大政党が連立して政権をつくること。通常はマニフェストを掲げてそれぞれの党が政権選択を賭けて選挙戦を闘ったことや、政策理念・政治路線の根本的な違い、支持基盤の違いから連立を組むことはない。過去に大連立が生まれたのも、イギリスの場合、第一次世界大戦、大恐慌および第二次世界大戦時に例外的に「挙国一致内閣」を組織しているくらいである。ドイツでは1966年から69年のキージンガー政権と2005年から09年のメルケル政権がある。07年10月30日と11月2日に福田康夫首相(自由民主党(自民党)総裁)と小沢一郎民主党代表による党首会談では、いったん「大連立」に向けた政権協議開始で合意したが、民主党執行部が反対したため大連立構想は挫折した。菅直人政権の弱体化に伴い、07年に大連立工作を行った読売新聞の渡辺恒雄主筆が10年11月、自民党の谷垣禎一総裁と会うなど再び「民主・自民」大連立を模索する動きがあった。11年3月の東日本大震災を受けて、菅首相は同19日、自民党の谷垣禎一総裁に副総理兼震災復興担当相で入閣するよう要請した。これも国難を奇貨として大連立を策したものとみられるが、唐突な提案だったこともあり実らなかった。(→「連合政権/連立政権」)