各府省ごとに設けられた政府と与党議員との集まりをいう。2009年9月に発足した民主党政権においては、政策の立案と決定は政府に一元化することになった。それに伴い、政府の政策案を政府側から与党に説明し、それについて与党議員と意見交換を行い、また、与党議員から政策提案を受け付ける場として設けられた。民主党は、政権獲得当初、分野別に議員立法などを行ってきた部門会議などの組織を、政権獲得後も存続させ、政調会長を兼務する菅直人国家戦略担当相が会議で出された意見を吸い上げる予定であった。しかし、9月5日の党幹部会で、この方針が大きく変更された。首相就任前の鳩山由紀夫代表が、政策決定の内閣一元化を徹底するために、政調会長も部門会議も廃止することを提案し、小沢一郎幹事長もこれに同調し、廃止が決まった。そして、9月18日には小沢幹事長名で、「政府・与党一元化における政策の決定について」という文書が、党所属の全国会議員に配布された。それによると、「民主党の『次の内閣』を中心とする政策調査会の機能は、全て政府(=内閣)に移行する」とされた。そして、政府を構成する各府省の大臣・副大臣・政務官の政務三役が与党に対して政策を説明し、政策に対する意見や提案を受ける場として各省政策会議が設けられることとなった。
具体的には、(1)副大臣が主催し、与党委員会所属議員(連立各党)が参加する。その他与党議員も参加可能とする。(2)政府案を政府側から説明し、与党議員と意見交換する。(3)与党議員からの政策提案を受ける。(4)提案・意見を聞き、副大臣の責任で大臣に報告する。(5)政府の会議として、議事録要旨の公開など透明性を確保する。(6)政府の会議なので、団体ヒアリングについては、対象の選定基準と与党議員の発言に特に留意する必要がある。(7)(民主党の)部門会議は設置しない。
最初の政策会議は09年10月6日に農林水産省で開かれ、約70人の民主党議員や秘書、官僚が出席した。さらに13日開催された国土交通省の政策会議には約300人が、また、厚生労働省の政策会議には約220人が出席した。なお、各府省の政策会議のスタッフとしては、民主党政権の成立に伴い廃止された同党政策調査会の職員約20人が非常勤の国家公務員として採用されることとなった。しかし、このような方式では党側の意思が反映しないということから、鳩山内閣に続く菅内閣において、党の政策調査会とその部門会議が復活したことに伴い、各省政策会議は廃止された。