「内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う」という内閣法9条の規定により総理大臣(首相)の職務を臨時に行う国務大臣を総理大臣臨時代理(首相臨時代理)という。首相が、サミットの出席などで国をあける場合にはかならず首相臨時代理が置かれ、その際、誰が任命されるかも当該内閣においてだいたい決まっており、通常は長老または有力閣僚が就任する。しかし、小渕恵三総理が昏睡状態になり、青木幹雄官房長官が臨時代理に就任したときに生じた疑義に対する形で、森内閣で臨時代理の第一順位は、常時、内閣官房長官となり、以下4人の閣僚が定められた。もっとも、なにをもって首相に「事故のあるとき」とみなすかは必ずしも明確ではなく、2007年9月の安倍首相の病気入院にあたって総理大臣臨時代理を置くべきかが話題となった。そして組閣の当初から、この規定に基づき総理大臣臨時代理を行うべく指定された国務大臣が、法令上の名前ではないが、副総理といわれる。最近の内閣では、民主党の鳩山内閣において菅直人が、また、野田内閣において岡田克也が、自民党の安倍内閣では麻生太郎が副総理に就任している。