病原性の微生物を変性させて感染性をなくしたり、一部のたんぱく質を抗原液として合成し、それを接種することで免疫防御反応を誘導させるワクチンのこと。感染性を温存した生ワクチンにくらべると安全性は勝るが、生ワクチンが1回接種で有効なのに対し、複数回の接種が必要で、有効性も弱いことがある。不活化ワクチンを用いた予防接種には、国の定めにより費用補助が受けられる定期接種と、費用自己負担の任意接種とがある。2013年現在は、DTP(ジフテリア、百日せき、破傷風の3種混合)・DT(ジフテリア、破傷風の2種混合)、日本脳炎が定期接種不活化ワクチン。そのほかのB型肝炎、破傷風トキソイド、A型肝炎、狂犬病、肺炎球菌、b型インフルエンザ菌(Hib)、ヒトパピローマウイルスなどは任意接種不活化ワクチンとなっている。12年、ポリオの予防接種が従来の飲む生ワクチンから、不活化ワクチンの注射に切り換えられ、社会的に注目を集めた。