比較的大きな電力を扱う時に用いる、ダイオード、トランジスタ、IGBT、GTO、サイリスター等の半導体デバイスの総称。一般的には600Vまではシリコン、それ以上は炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などのワイドバンドギャップ半導体が実用化されるようになってきている。その主な理由は、バンドギャップが大きいと、耐圧を持たせるための空乏層の厚さを薄くできるため、オン抵抗(電流が流れているときの抵抗)が小さくでき、そのため消費電力を低減できることにある。パワーデバイスの名の通り、大電力を扱う部分に使用されるため、少しの抵抗の削減が大きな電力削減に直接結びつくからで、抵抗によるロスは通常10分の1程度にはできる。問題はワイドバンドギャップ半導体のコストで、安くなれば爆発的な需要が生ずることが予想される。