中長期的に見れば、日本が男性政治から脱却していくには選挙制度改革は避けて通れない。候補者の多様性の観点から選挙制度を評価し見直す時期に来ている。具体的には小選挙区中心の制度を改める必要があるだろう。女性議員は定数が小さい選挙区ほど少なく、大きい選挙区ほど増える傾向にある。つまり小選挙区制度の下で女性議員を増やすことはとても難しい。定数だけではなく、クオータ制(割り当て制)導入や政党交付金の配分変更など、さまざまなやり方が考えられる。具体的な改革案については『さらば、男性政治』でも論じた。統一地方選の結果を踏まえ、さらなる議論が進むことを期待したい。
男性政治
注:著者は、「男性政治」を次のように定義し、説明している。
「男性政治とは、男性だけでモノゴトを決め、新しいメンバーには男性だけを迎え入れ、それを特におかしいと思わない政治のあり方である。男性政治において女性の参入もたまには認められるが、男性と対等なメンバーとしては扱われない。男性政治の主たる担い手は、健康で、異性愛で、ケア責任を担わず、ほぼ全ての時間を政治に用いることのできる男性だが、男性でも男性政治に抗う人はいるし、女性でも組み込まれる人はいる」(『さらば、男性政治』p.3)