さらに、国民皆保険を守ろうと思えば、負担の増加、給付の削減とセットでなければ、混合診療の規制緩和の議論は避けられない。現実を見すえ、冷静な議論が必要である。
国民皆保険
すべての国民を公的医療保険に加入させ、医療を平等に受けやすくした制度。日本では農業や自営業者など、社会保険の未加入者に国民健康保険を強制適用する新国民健康保険法が1958年に制定され、61年から全国民を対象とする皆保険・皆年金体制が実現した。
保険外併用療養費制度
公的医療保険適用外の高度先進医療や療養サービスのうち、厚生労働大臣が認めた「評価療養」「選定療養」について、通常の保険診療にあたる部分の保険給付を認める制度。混合診療の規制緩和の一部として、2006年に健康保険法を改正し、特定療養費制度より再編された。