しかし、男性の長時間労働が解消しないままに、イクメンであることも求められるのであれば荷が重すぎます。働き方の見直しとセットで、男性の育児参加については議論をする必要があります。もちろん、働くお母さんたちは過剰な負担を抱えています。共働きが一般的な時代になっているのに、家事・育児は女性の責任という風潮が残っているからです。
男性と女性のどちらが大変かを競っている場合ではありません。「男性問題」と「女性問題」はつながっているということを、私たちはしっかり認識する必要があります。どちらか一方だけを解決することはできないのです。男性の「生きづらさ」が表明化している現在は、男性の生き方を根本的に見直す好機です。夫婦間の家事・育児分担のアンバランスを解消するためには、あまりに仕事中心だった男性の生き方を変えていかなければなりません。「性別にとらわれない多様な生き方の実現」のために、社会全体で「男性問題」に向き合う時が来ています。