日本での出店場所に昔ながらの職人文化が根付いている東京・蔵前を選んだのも、クラフト文化が盛んなサンフランシスコの空気感とマッチしていたからです。築50年の古い建物をリノベーションした店内は、ショップとカフェと工房が共存する空間になっていて、前述の3種類のチョコレートバーを購入できるのはもちろんのこと、製造風景を間近で見ながらサンフランシスコ本店の味を再現したチョコレートドリンクやスイーツ、ペストリーを楽しんでいただけます。
なかでもおすすめは、3種類のシングルオリジンチョコレートを使ったブラウニー(チョコレートケーキ)を食べ比べできる「ブラウニーバイトフライト」。キャラメルのような味わいのリベリア産、スモーキーでハチミツのような甘さが印象的なパプアニューギニア産、ドライチェリーを思わせるフルーティーな酸味が感じられるマダガスカル産と、それぞれのカカオ豆のフレーバーの違いが楽しめます。
同店では、工房の中に入ってチョコレート作りの工程を見学できるファクトリーツアーや、カカオ豆の選別や焙煎からチョコレートバー作りまでを体験できるワークショップも開催中です。なによりもチョコレートが大好きだというトッドは、ビーントゥーバーとは何なのかということを正しく伝えることが日本出店の重要なミッションだと考えています。さらに、日本での活動をアメリカにフィードバックすることで、よりおいしいチョコレートの世界を追求したいとも言っています。クラフトビールやサードウェーブコーヒーがそうであったように、国を超えて新しいチョコレート文化が育まれ、磨き上げられる。その舞台として、ダンデライオン・チョコレートの果たす役割は、今後ますます高まっていくと確信しています。