紫外線を用いて集積回路のマスクパターンをウエハー上に露光転写する技術。スケーリング則に従って集積回路の集積度が高くなるにつれて最小線幅は細くなり、10年ほど前の512MビットDRAMでは90~65nm(ナノメートル)程度の技術が使われ、5年前の2GビットDRAMでは、45nm程度の技術が使われたが、現在では20nmレベルになっている。また設計ルール上、最小線幅と同時に重要な特性として、パターンの位置合わせがあるが、通常最小線幅の10分の1程度の精度が求められる。このためステッパーとよばれる縮小投影露光装置が使われる。この方法では解像度は光源の波長に比例し、レンズの開口率(NA ; numerical aperture)に反比例するため、原理的に最小線幅はほぼ光源の波長と同等になる。1980年ごろの水銀ランプのg線(436nm)から、90年代にはi線(356nm)が導入され、さらにKrFエキシマレーザー(248nm)に短波長化された。加えて、位相シフト法という光の位相を使ってコントラストを高くする技術が導入され、波長の2分の1程度まで解像できるようになった。2000年代には100nm以下の解像をするため、さらに波長の短いArFエキシマレーザー(193nm)が用いられ、65nm程度までの技術が実現されている。それ以下の解像度には、レンズとウエハーの間に純水を入れて実質的なレンズのNAを高くする液浸法が開発され、波長の4分の1以下の45nm程度までの解像に成功しており、30nm程度の寸法の解像にも量産レベルで適用されている。さらに細かい寸法の解像には、ダブルパターニング(double patterning)法という1度目に形成したパターンの中央に2度目の露光でパターンを形成して寸法を2分の1にする技術が実用化され、20nm程度まで実用化されている。さらに10nmレベルの超微細加工に対応する将来的な量産技術として、紫外線の代わりに10nm程度の波長の軟X線を用いるEUV(Extreme UV)技術なども検討されている。