石英系ガラス、化合物半導体、非線形光学結晶などを用いる従来のフォトニクス技術に対し、大規模集積回路(LSI)などに使われる一般的な半導体であるシリコンをベースとして、光導波路素子や光集積回路を作製する技術。シリコンの高い屈折率と成熟したLSI製造技術を利用することにより、素子の微細化が可能になった。光通信ネットワークの経路を切り替える光スイッチ、コンピューター内のLSIチップ間で大量のデータ通信を行う光インターコネクション用の光配線回路などが開発されている。また、シリコンは間接遷移半導体であるため発光素子には不向きな材料であるが、ナノ構造を導入することにより、あるいはさらに光子とナノ構造の相互作用によるドレストフォトンと呼ばれる状態を利用して、シリコン製発光ダイオード(LED)の発光効率を高める研究が行われている。