EUでは、「忘れられる権利」判決後の議論を踏まえて、EUデータ保護規則案第17条の規定が最終的にどのような内容に改定されるか、その動向が注目されています。
これに対して、15年2月6日にグーグルの諮問委員会は、「忘れられる権利」に基づく検索結果の削除の範囲は、EU域内にとどめることが妥当であるとする報告書を公表しました。
この問題では、EUとアメリカとではデータ保護に対するスタンスが異なる点に注意が必要です。まず、個人のプライバシー保護を重視するEUと、表現の自由を重視するアメリカとの理念的な対立という構図があります。また、アメリカにはデータ保護については包括的なデータ保護法がなく、分野ごとの規制となっています。更に、ビジネスに制約を加えないことも重視しています。
議論はまさに世界中で始まったばかりですが、EU及びその加盟各国の動向は急を要しており、日本でも、今後速やかな検討を要する重要なテーマです。