また実際に自分が出演しているテレビ番組で、一般の皆さんからの情報や映像を流しています。そうした意味では思っていたよりも速いスピードで、実現できている気もします。
ところで、皆さん、新聞や雑誌などの既存メディアへの信頼度ってどのくらいだと思いますか?
2005年と少し古い資料ですが、「世界価値観調査(World Values Survey)」のデータによれば、新聞・雑誌への国民の信頼度は、日本では72.5%ととても高い数値でした。いっぽう、アメリカ23.1%、イギリス13.4%、ドイツ28.7%、フランス38.5%と他の先進国では低い数値になっています。
日本のこの数値は一見誇らしいことのように見えます。でも本当は、国民がこれらのメディアに依存しすぎているという現れでもあります。これもまた「おまかせ民主主義」ではないでしょうか。
また、よく「私は○○新聞を支持している」と発言をする人がいます。“支持”ならまだしも、「テレビよりも新聞を“信じている”」という人もいます。これは、非常に危険です。なぜならメディア側には明確な意図があって、記事を出しているからです。
ですから、記事に興味を持ったら、まずは一次情報ソースを確認してみる。そして、記事に書かれていないことは何かと想像してみる。必要な情報を探してみる。それが大事です。メディアが多様化してきている今、探したいものが見つかる時代になってきていると思います。ぜひ既存メディアだけに依存せず、使いこなしてください。
未来はみずから創り出すもの
僕は1977年生まれですが、世代的に、バブル崩壊で価値観が根底から崩れ、それに翻弄される大人の姿を見て育ちました。だから、ただがむしゃらに頑張っても世の中は良くならないと感じています。感覚的には、ゆがんだり壊れたりしてしまったものや制度をどう再生するかという考え方をしています。我々よりもっと若い、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻(2008年)が発端となったリーマン・ショックからの記憶しかないような世代では、そうした思いがさらに強いことでしょう。
昔のように一部の知識人階級が、いきなり「これを変えよう」と革命みたいなものを起こそうとしても、なかなかついていけない。それよりはジワジワと内側から浸食するように変化をしていくことが大事だと思います。
一人では世の中を変えられないし、夢は叶えられない。それでもネット社会では、同じ目標で結ばれる可能性が高い。仲間が一緒にやってくれたという経験は、非常に人生を豊かにしてくれると思います。そういう機会をもっともっと作っていきたいですね。
最後に、なぜ「おまかせ民主主義」から脱却すべきなのか、その理由を大好きな言葉をひいて伝えたいと思います。アメリカの計算学者のアラン・ケイ氏の言葉です。
「未来を予測する最善の術は、みずから創り出すことだ」
自分たちの望む未来は、誰かに作ってもらうのではなく、自分自身で創っていくものなのです。そう考える人が、一人でも増えていくことが大事です。
奇しくも、この記事のリリースは衆議院選挙の前々日になりました。
自分の意思で候補者を選ぶ。選挙に足を運び1票を投じる。そうした形で政治の当事者になることは「おまかせ民主主義」からの脱却の、第1歩です。
こういう方々が今後も増えていくことを目標に、僕はこれからもさまざまな活動を続けていきたいと思っています。